「身体の力を抜いて、いかに自分の腕の重さを使って弾けるかを大事にしてるんです。」
プロのピアニストと出逢った時に、
「ピアノを弾く時に大事にしてる意識はなんですか?」
という質問をしてかえってきた答え。
「女性はなかなか男性ピアニストに勝てないんです。
男性は力があるので、音の強弱の表現の部分で劣ってしまう。
それに気づき私は武道を習ったんです。」
武道からいきついた、自分の本当の力を引き出す意識とは?
今日はそんなお話です。
自分の力を入れると自分の身体の重みが使えなくなる
「自分の腕の重み。その重みをいかに使えるかを意識してます。」
そう話すピアニスト。
個人差があるけど、片腕は自分の体重の約6%を占めていると言われてます。
50キロの人だと約3キロ。
3キロのダンベルをピアノに落したら
かなりの音が鳴ることは想像できますね。
「だけどね。余計な力が入ってるから、その3キロの重さを鍵盤に落せないのよ。」
ピアニストさんは言ってました。
そこでピアノとは別に習い始めたのが古武道だったそうです。
武道は丹田という自分の中心に力を込めるという教えがあります。
僕も合気道をやってますが、
まさにこの丹田呼吸を使って技が生み出される。
そしてそこで彼女がいきついたのが
丹田に力を置き、あとはなるべく力を抜くこと。
これによってピアノの音は大きく変わっていったそうです。
ちょうどそこにいたプロの料理人も言ってました。
「僕はそばとかうってたけど、そばを切る時は力はいらない。
包丁事体が重いからその重みでそばは切れるんだよ。だから疲れることはないんだよね。」
どの業界にもいきつく理なんやね。
力を入れて発信してる文と
力を抜いて発信してる文。
自分の心の重みが入ってるのは
きっと力を抜いた方なんだと思う。
背骨を立てれば力はぬけて本当の自分の力がでる
実は僕もこの『力をぬいて生きる』ことは数年前から意識してて、
力を抜く2つの方法があると思ってる。
1つは、
背骨を立てること
人には常に重力というものがこの地球ではかかってる。
だからそれに抵抗する力が無意識で体のいたるところに働いている。
今椅子に座っていたり、立っていたら、
腰からお辞儀をする感じで頭を前に落してみてほしい。
角度がきつくなればなるほど、
足や腰や背中、人それぞれだと思うけど、力が入るのを感じるはず。
こうやって、重力に対して身体を曲げれば曲げるほど
重力に耐えるように自分の身体に力は入ってしまう。
だから。
背骨を立てること。
だけど「気をつけ」のようにピンと立てると
意外と重力に対して垂直でなかったりする。
そもそも「気をつけ」の時点で力が入ってる(笑)
自然な自分の垂直な背骨を意識すると、
重力に対して抵抗せずに自分の身体の力を抜くことができる。
水に浮いている意識
僕は36年間実は水に浮くことができなかった。
2年前に海水浴で友達に海に浮くコツを教えてもらった時に驚愕した。
「まさくんね。力入りすぎなんよ。」
えっ!?自分では力は全然入れてないつもりなんだけど!?
正直本当にそう思った。
その友人に体を支えてもらい、
「もっと力ぬいて!この足力入ってる!!」
とかそんなこと言われながら、
どんどん力を抜く意識をした時、
僕は人生ではじめて水に浮くことができた。
あの感覚は今でも鮮明に覚えていて、
変な話だけど水に受けた瞬間に、
『母親の羊水の中にいた自分』
これを思い出した。
「こ、こ、こんなに力ぬいていいんだ。」
これがその時の感想。
そしてその後すぐに思ったのが、
「ふ、ふだんどんだけ力入れて生きてるんだ…。」
という気持ちだった。
海から上がるとやっぱりすぐに体に力は入る。
僕は毎年海水浴に行って、
この海に浮くトレーニング(笑)をやってる。
最強の脱力トレーニングだなーって思う、
是非今年の夏にやってみてほしい。
普段は海にはなかなか入れないと思うから、
水に浮くイメージをするだけでいい。
それだけで結構体の力はぬける。
そして、この体の力を抜くことを意識していくことで、
自分の本当の力が出てくる。
こうやって文章を書く時も、
誰かを教える話をする時も、
何かを作る時も、
力を抜くから自分の本当の力がでる。
さぁ今日も力をぬいて自分の身体を動かしていこう!